先日、「認知症の行方不明者が過去最多」のニュースがありました。今後の予測でも認知症患者は増えていく一方ですので、このままいくと来年も行方不明者が増えることが予測されます。
最近、認知症の方で考えさせられる案件がありました。
認知症の方が問題を起こしてしまったというケースです。一つ間違えば大事故につながるような内容で、聞いた時には冷や汗をかきました。
ご家族様も頭を悩ませておりこの先の対応に不安を抱えている様子でした。
何年か前に、認知症の方が列車にはねられ死亡する事故がありました。当時の鉄道会社は家族に損害賠償を求め裁判になりました。
一審では家族側に支払い命令が出ましたが、後の最高裁で家族側に支払い義務はないと判決がおりました。
当時、裁判で争われていた内容は「認知症患者の監督義務について」
この判例以前のケースでは、家族側に監督義務があり事故になった場合は家族にその責任があるのはというものでした。
家族側が裁判で勝つことはなかったそうです。
認知症の問題は、今後の日本の課題でもあります。
今回担当をさせてもらっているケースでも同じようなことが起こる可能性がありました。この問題は誰に責任があるのかといわれると非常に難しいです。
家族にすべての責任を押し付けると今後認知症の介護をできる家庭はなくなるでしょう。
家族だけでなく、私たち事業者や地域の方で見守っていかなくてはいけないと思います。
また、国も見守りができる体制を必死に整えていこうとしています。
地域・医療・福祉の連携や、AIやIoTを活用した見守りのシステム。様々なものができてきています。
今回のケースで再度いろいろと考えることができました。
これからも支援をしていく中で様々な問題が出てくることもあるでしょうから、しっかりと向き合っていこうと思います。